総量規制とは

総量規制とは?

総量規制とは?

総量規制とは2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行になり導入された法律です。

 

総量規制が適用されるのは貸金業者のみとなり、貸金業登録している消費者金融・クレジット会社(キャッシングのみ)・信販会社(キャッシングのみ)となります。

 

今まで資金需要者の申込み者に貸すも、貸さないも貸金業者の判断次第でしたが、2010年6月18日以降は法律によって、年収の3分の1を超える貸付は原則禁止となりました。

 

この年収の3分の1までと規制した法律を総量規制と言います。

 

総量規制の導入の目的

総量規制の目的は、多重債務者を新たに発生させないことと、貸金業者による過剰貸し付けを禁止する目的で導入されました。

 

消費者金融が軒並み最高利益を上げ、消費者金融しか入っていないビル、通称「サラ金ビル」と呼ばれるビルが大都心では多く見受けられた2000年すぎから、多重債務者問題は深刻化してきました。

 

無人契約機などで、気軽にキャッシングができ、消費者金融のテレビCMなどの広告露出はかなり激しく、ゴールデンタイムのテレビCMの多くは消費者金融の時代もあったほどです。

 

その成果?もあり、消費者金融は貸付残高を右肩上がりで伸ばした半面、借りすぎによる自己破産件数も飛躍的に伸び、平成14年には年間20万人もの個人が、自己破産申請したことで社会問題化となりました。

 

そのような背景もあり、多重債務者と貸金業者による過剰貸し付けの抑止として総量規制は導入するに至ったのです。

総量規制とは、借入は年収の3分の1までしかできません

総量規制とは年収の3分の1までしか原則貸付を禁止とした法律です。例えば年収300万円の人であれば、1/3の100万円、年収600万円の人であれば、200万円しか原則借入は禁止となりました。

 

総量規制は新たに借入する人だけではなく、すでに利用中の人にも適用され、総量規制導入前から、貸金業者の借入が年収の3分の1を超えていた人は、今まで限度額内で繰り返し追加借入ができていた人も、総量規制によって、突然追加借入ができなくなります。

 

それは、貸金業者は利用者の信用情報を定期的に調べる義務が課せられたことから、信用情報調査時に借入が年収の3分の1を超えていた場合、貸金業者は追加利用の停止措置を取らなけらばならなくなったからです。

 

又、顧客の年収は源泉徴収票や、所得証明書、直近給料明細2ヶ月分等で判断することになり、年収を証明する書類が提出できなければ、追加利用の停止を取られることになります。

総量規制では、自社の貸付が50万円を超える場合、又は、他の貸金業者の借入と自社の借入額が100万円を超える場合は必ず収入証明書の取得義務が決められた為、それに該当する人が年収を証明する種類を出さなければ、貸金業者は追加利用を停止しなければならなくなったのです。

専業主婦は総量規制によって借入できません

総量規制はあくまで、年収の3分の1と規制したことから、自身の収入が0円の専業主婦は借入ができなくなりました。

 

パートやアルバイトなどで収入がある人は、その収入の3分の1までは借入することは可能ですが、夫の給料しかない専業主婦は貸金業者から借入はできません。

専業主婦が貸金業者から借入するためには、総量規制例外貸付の「配偶者同意貸付」で借りるしか方法はありませんが、この配偶者同意貸付は、配偶者にも信用情報の調査が入り、事前に配偶者の同意が必要となることから、配偶者に内緒で消費者金融から借入することは不可能になったのです。

総量規制の矛盾

総量規制は多重債務者問題と、業者による過剰貸し付け防止の目的で導入されたと説明しましたが、総量規制によって貸付が制限されるのは、あくまで貸金業者のみです。

 

貸金業者(消費者金融・クレジット会社・信販会社)は年収の3分の1迄しか融資することはできませんが、貸金業者ではない、銀行や信用金庫、農協などの金融機関は総量規制の適用を受けない、総量規制対象外となるので、年収3分の1以上でも融資をすることは問題がありません。

 

その為、消費者金融では借りられなくても、銀行カードローンでは借りられるという現象が実際に起きています。

 

又、総量規制導入の際に、指定信用情報機関が設置され、消費者金融等の貸金業者は指定信用情報機関の情報で年収の3分の1までを判断していますが、この情報機関は、貸金業者が廃業や倒産などをして脱退した時点で、そこの借入情報は一切消えてしまうのです。

 

改正貸金業法の上限金利引き下げ、総量規制の導入に加え、今だ続く過払い金返還請求によって、中堅・中小の消費者金融会社はことごとく倒産・廃業をしており、貸金業者の数は全盛期のころに比べて数分の1までに減ってきています。

 

最近(2013年9月)の事例では、消費者金融大手だったCFJが消費者金融事業から撤退するため、指定信用情報機関JICCから脱退したとのこと。CFJは中堅消費者金融のアイク、ディックファイナンス、ユニマットライフの3社が合併して誕生した会社ですが、いまでも返済している人は多くおり、実際CFJが指定信用情報機関から脱退することで、約2900億円の情報が消えると言われています。

 

このように、年収の3分の1を判断するのは指定信用情報機関だけですが、その信用情報は実際の借入とは合っていないことが十分に起こり得るのです。

 

貸金業者のみが規制される件、そして実際の借金と信用情報の違いなど、総量規制にはいくつもの矛盾が生じていると言わざるを得ません。


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